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企業ブランディング(コーポレートブランディング)とは 事例と進め方をご紹介

ブランディング

いま「企業ブランディング(コーポレートブランディング)」が世間から注目されています。企業ブランディングが注目された要因としてはコロナ禍の影響も大きいでしょう。今後同様の大きな天災が起きたとしても、その状況下で「持続的に成長できるサスティナビリティ企業」が世の中から求められているのです。

企業ブランディング(コーポレートブランディング)とは

「企業ブランディング(コーポレートブランディング)は何で必要なの?」
「企業ブランディング(コーポレートブランディング)はどのように進めたらいいの?」
このような疑問をお持ちの方にこの記事を読んでいただき、理解の一助になれば幸いです。

コーポレートブランディングとは「企業が存在する社会目的」や「そこに向かうためのビジョン」(企業アイデンティティ)をステークホルダーに感じてもらうための取り組みです。ひいては競合他社との価格競争から抜け出すための差別化戦略にもなります。

企業ブランディング(コーポレートブランディング)とプロダクトブランディングの違い

企業ブランディング(コーポレートブランディング)は商品ブランディングと何が違うのでしょうか。企業ブランディングには具体的な売り物は存在しません。商品やサービスのプロダクトブランディングを指すものではないのです。
企業ブランディングとは「企業理念を軸とした企業のアイデンティティとサスティナビリティ(持続的成長)」をステークホルダーに知ってもらうための戦略のことです。

ステークホルダーとは消費者(顧客)、従業員、就活者、株主、仕入先、地域社会など企業と直接・間接的な利害関係を有する者をさし、 企業ブランディングとは「ステークホルダー全員に企業の理念・ビジョンを理解・共感していただき、サスティナビリティを感じて、応援してもらうために行う企業の広報活動」と言えるでしょう。

企業ブランディング(コーポレートブランディング)の効果

企業ブランディングの効果は、一言で言えば企業に好印象を抱いてもらう事です。
企業のアイデンティティに共感してもらうことで、「この会社だから間違いない・応援したい」という気持ちや、「その企業の商品・サービスを身に付けている、持っている、導入していることへの誇り」を醸成することができます。
ステークホルダー毎にそれぞれ効果が異なるためご説明します。

企業ブランディング(コーポレートブランディング)のマーケティング効果

もしあなたが潜在顧客の場合、以下のAとBのどちらの企業アイデンティティに惹かれ、共感するでしょうか? マーケティング用語では共感の醸成を「エンゲージメント」と呼びます。

A:私どもは営業利益〇〇億円を目指し、さらなる成長をお約束します。
B:私どもはビジネスを通じて社会に貢献し、人にとって地球にとってより良い会社を目指します。

潜在顧客にはまず企業を信用・信頼(エンゲージメントの向上)してもらう必要があります。商品・サービスが高価なものならば尚更です。
長期ビジョンを一貫した姿勢で描ける会社こそ信用に値します。そのような軸が企業の魅力(企業アイデンティティ)になるのです。

既存顧客には「購入した商品・サービスにアイデンティティ」を感じてもらい使い続けていただく必要があります。
その信用・信頼(エンゲージメントの向上)が新たなビジネスに繋がることでしょう。

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企業ブランディング(コーポレートブランディング)のインナーブランディング効果

お客様といつも接しているのは従業員です。会社の顔といっても過言ではありません。 上層部が頑張って企業アイデンティティの構築に勤しんでも、従業員に伝わらなければ意味がありません。1人1人の従業員が企業アイデンティティに共感し、誇りややりがいを感じてもらえる状態が理想でしょう。生産性の向上や離職率の低下にも効果があります。

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企業ブランディング(コーポレートブランディング)のIR効果

企業には資金調達が不可欠です。資金調達ができなければ新規事業を始めることができずサスティナビリティ(持続可能性)のある企業にはなれません。企業ブランディングを通じて企業アイデンティティを理解してもらい、サスティナビリティを感じてもらうことにより有利な資金調達が可能になるでしょう。

ブランディングを進める手順

ここまで、ブランディングに関する定義、基本的な構造とプロセス、そしてあふれる情報の中でブランドを際立たせる具体的な手法について述べてきました。
最後にもう一度、ブランディングを進めるにあたっての採るべき手順を整理してみましょう。ここをしっかり理解しておくことで、取り組みに関して迷走する危険性がなくなります。

理念要素を再確認する

戦略を確定する

インターナルブランディングを推進する

エクスターナルブランディングを推進する

ブランド価値を検証する

・理念要素を再確認する
ブランディングの核(コア)となるのは、事業の根幹をなす「理念」要素です。まず出発点として、ブランドはその理念を明確にしなければなりません。理念が明確になったらCI(コーポレートアイデンティティ)を考えていきましょう。CI(コーポレートアイデンティティ)は企業の独自性の表現です。企業ブランディングを行う上で、非常に重要な要素となります。

理念には実にさまざまな形があり、企業によって呼び方や位置づけ等がそれぞれ異なります。創業者の言葉であったり、「〇〇10訓」のように訓戒調でまとめられていたり、あるいは社風・企業文化としての認識が共有されながら、成文化されていない理念も中にはあります。

こうした企業の中に顕在・潜在している理念的要素を丁寧に拾い上げ、整理して可視化することで、存在意義や目指す目標などがブレることなく社内で共有されます。これはCI要素の中ではMI(マインドアイデンティティ)として位置づけられるもので、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)という3つの構成要素で表現している企業も少なくありません。最近では、パーパス(Purpose)という言い方も注目度が上がっています。

どのような呼び方をするにせよ、ブランディングの中心には「なぜその事業を行うのか」「何のために、何を目指して自分たちはその事業を展開するのか」が明確に定義されている必要があるのです。

この理念を確実に現実化し、社内外のあらゆるステークホルダーにコミュニケートしていくため、ビジネスの現場でVI(ヴィジュアルアイデンティティ)BI(ビヘイビアアイデンティティ)を適切に展開していくこと、これがCIです。

関連記事:求められる現代型コーポレートアイデンティティ

・戦略を確定する
理念をベースとして具体的にどのような事業を構成していくのか、経営環境や自社の強み・弱みなどを分析し、戦略の方向性を定めます。コアコンピタンスUSP、バリューを考えることで、より研ぎ澄まされた戦略になるでしょう。

戦略は、前述した理念と密接に関係します。理念を実現するために、現実に形ある商品・サービスを組み上げ、ビジネスモデルを確立し、世に広く提示していかなくてはなりません。

そのためには、自らの置かれた経営環境をよく知ることが大切です。自社が強みとするリソース(経営資源)にはどのようなものがあるのか。逆に欠けているものは何か。移ろいゆく環境変化の中で、今後期待できる領域がどこにあり、注意しなければ成せない脅威は何なのか。自分たちの業種・業態の外にある、技術革新や金融、紛争など、国際的要因などにも目を配る態度が不可欠です。シェアを獲得し、一人でも多くのお客さま、ステークホルダーの共感を得られるようタッチポイントを設計し、ビジネスモデルを固めていくプロセス。これが、戦略確定の段階です。

関連記事:USP(Unique Selling Proposition)とは差別化戦略の基本

・インターナルブランディングを推進する
自社および自ブランドのどのタッチポイントにおいても発信するメッセージが揺らがないよう、インナーにおけるブランドの理解、共感、共有、実践に努めます。CI(コーポレートアイデンティティ)におけるBI(ビヘイビアアイデンティティ)はインナーが表現するものになります。社員は会社の顔です。クライアントや消費者、関係会社と関わる社員に自社のアイデンティティを伝える努力は必要不可欠です。

以前は人から人による伝播、紙メディアを活用したコミュニケーションが中心であったこの領域にも、DXの波が押し寄せています。情報共有プラットフォームを上手に活用し、メディアの特性に合わせて、高品質かつ高密度なインターナルブランディングを展開することができます。

また、ただ上から下へ、中心から周縁へといった一方通行のコミュニケーションではなく、社内で相互に提案しあい、考えを深めながら革新のレベルを上げていくのにも、デジタルメディアは適しています。
社内のコミュニケーションレベルが活性化することにより、次の段階であるエクスターナルブランディングもまた、ダイナミズムが派生していくようになるのです。

関連記事:CIの三大要素3・BI(ビヘイビア・アイデンティティ)の本質は何か

・エクスターナルブランディングを推進する
外部社会のステークホルダーに対し、ブランドの姿をコミュニケートしていく段階です。CIやバリューが明確になった段階で、その価値や考え方を外部ステークホルダー(カスタマー・投資家・就職者・社会)に認知してもらいましょう。それにはコンテンツマーケティングという手法が適しています。エクスターナルブランディングはしっかりと腰を据えて取り組むことで、自社のアイデンティティを多くの方に知ってもらうことができます。

従来は、マスメディアを主要な媒体として広報・広告でコミュニケートするのがエクスターナルブランディングだと思われていました。もちろん、その側面は小さくありませんが、ステークホルダーがブランドに接するタッチポイントは、他にも数多く存在します。

商品であれば実店舗での接客や陳列などの購買体験、デジタルでの操作性や没入感、体験型サービスであればその品質や価格など、あらゆる顧客体験(カスタマー・エクスペリエンス)が重要なタッチポイントとなります。

さらに、顧客以外のステークホルダー、株主や求職者、協力会社の人々や地域社会など、ブランドがコミュニケートしていくべきステークホルダーは数多く存在します。

これからの資本主義社会は、あらゆる関係者の意向や考え方と無関係でいられない、より民主化が進んだ「ステークホルダー資本主義」へ向かうとされています。理念を確実に現実化する企業、ブランドとして、注意深くエクスターナルブランディングを設計、展開していきましょう。

関連記事:CIの三大要素2・VI(ビジュアル・アイデンティティ)

・ブランド価値を検証する
ブランディングは、〜ingという接尾語がついていることからもわかるように、常に進行形のムーブメントです。何かをやればそれで終わり、ということはありません。現在の状態を知り、次の段階につなげていくためにPDCAの視点が不可欠です。継続してきたブランディングがしっかり「資産」として価値を築いているのか、検証することで常にアップデートが可能となります。

ブランド価値の検証は、定量的活動と定性的活動の二つがあります。

定量的なブランド価値検証は、ブランドの持つ資産価値を企業財務の側面から測定し、数値化して把握しようとする試みです。株式の時価総額と保有資産の差などから算出したりしますが、定説はなく、中小企業では難しいものがあります。

定性的なブランド価値検証は、「伝えたい内容」が「伝えたい相手」にブレることなくコミュニケートできているか、そしてその結果が認知度やシェアの拡大、売り上げ増加などに結び付いているかを把握する活動です。

アンケート調査やタッチポイント観察、ステークホルダーインタビューなど調査や情報収集を実施し、把握に努めます。あらかじめKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設定し、その達成度を測定するのもひとつの方法です。ブランディングの検証プロセスでは、この定性的なブランド価値検証がPDCAサイクルを回すうえでとても大切です。

ブランド価値の検証は、必ずしも大々的に、一斉に行う必要はありません。むしろ日々の事業活動やコミュニケーションのなかで、

「理念は企業の目指す方向を明確に表明できているか」

「変わりゆく経営環境に戦略は対応できているか」

「インターナルブランディングを通じて認識の共有が正しく保たれているか」

などを、日常的・継続的に評価する仕組みや慣習を意識して行うことが重要です。

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外部へブランドをコミュニケートしていくエクスターナルブランディング

図:「ステークホルダーと共に共通価値を創造していくブランディングの俯瞰図」

次に行うのが、外部社会に対するブランドコミュニケーション、「エクスターナルブランディング」の領域です。ここでは、「ヒト」「モノ」「コト」「メディア」がそれぞれの特性を認識し活用しながら、ブランドとしての齟齬のないメッセージをブランドの受け手、ステークホルダーに伝えていくことが大切です。
ビジネスである以上、ブランドのコミュニケーションはともすれば顧客や消費者を主要な対象と考えがちですが、企業やブランドを取り巻く関係社会はそれだけではありません。重要なステークホルダーのひとつである「従業員」に対しては、インターナルブランディングの段階で紐帯を築いていますが、それ以外の例えば地域社会の人々、取引先の人々、株主や業界関係者、またそのブランドにかかわる仕事がしたいと考える求職者なども、ブランドにとって大切なステークホルダーです。その一つ一つに対して、それぞれのタッチポイントで一貫したブランドの姿をコミュニケートしていけるよう、注意深くプランニングし、実行をマネジメントしていくことがブランディングの第二のプロセスです。
ステークホルダーについては、こちらのリンクでその種類とエンゲージメントを進めるタッチポイントについて詳しく解説しています。ご参照ください。

関連記事:ステークホルダーとは ステークホルダーエンゲージメントを向上しよう

またブランディングnoteでは、こうしたブランディングプロセスの事例を豊富に紹介しています。
株式会社ソーシャルインテリアの挑戦
は、スタートアップ企業の理念と、それに基づいた事業設計の実例です。
パタゴニア社の事例
では、「let my people go surfing(社員をサーフィンに行かせよう)」という創業者の言葉を引用して、ブランド独自の雰囲気を共有するインターナルな施策と、それを基礎としたステークホルダーへのアプローチを紹介しています。

ブランディングに有効な「コンテンツマーケティング」という手法

以前はブランディングを戦略の下位に位置づけ、マーケティング部門などが担当する企業が多く見られました。しかし最近では、より統合的な視点で社内外のコミュニケーションを制御していく必要から、経営企画セクションなど戦略的な部署が担うケースが増えてきました。

同様に広報・広告などメディア対策は宣伝部が、社内報は総務部が、webサイトは情報システム部が、店舗は営業部や各地の営業所がというように、タッチポイントごとにわかれていた業務も、戦略的視点のもとでプロジェクトが組まれたり、タスクチームが編成されたりするように変化しています。

そうしたなかで昨今、注目度があがっているのがオウンドメディアを通じてステークホルダーに対し的確に情報を拡散しつつ、接触頻度を高めていくコンテンツマーケティングです。
リボンハーツクリエイティブが運営しているこのブランディングnoteが、まさにその実例です。
ほとんどの生活者は、何か行動を起こそうとする際に、スマートフォンやPCなどの端末で「検索」することをスタート地点とするようになっています。コンテンツマーケティングは、人々が検索行動を通じて求める情報を予測し、それに役立つ有用な情報として、また問題を解決する方策として、自社の商品・サービスにつながるコンテンツを提供するものです。情報の質と量が向上するにつれ訪問するユーザーの数も増え、また自ブランドとのマッチング適性の高いユーザーとの、エンゲージメントが強化されていきます。
同時に、アクセスデータを分析することにより、どのような経路でサイトに流入しているのか、どんなワードでたどり着いているのか、などのデータが直接取得でき、PDCAの効率化にも貢献します。
以前であれば多額の費用を投じてマスメディアに広告を打ち、注意喚起→認知→興味関心→記憶→行動の各段階へと誘導しなければ困難であった情報の流れが、コンテンツマーケティングでは主体的に、そして統合的に制御することが可能なのです。

企業ブランディング(コーポレートブランディング)成功事例「トラクターメーカー『ジョン・ディア』のコンテンツマーケティングとは」

今から100年以上も前に、農業機器を取り扱う会社ジョン・ディアが、農業を営むターゲット層との関係構築を考え、農業の課題解決ノウハウや最新情報を掲載したカスタムマガジン『The Furrow』を刊行しました。
ジョン・ディアはDMで商品カタログを送るのではなく、農家の役に立つ記事や情報を集めた冊子を送ることで多くのジョン・ディアファンを獲得しました。
この『The Furrow』は今もなお月に一度、12の言語に訳されてWEBと雑誌で出版されており、全世界に1500万人もの読者がいます。

関連記事:世界最大の農機具メーカー「ジョン・ディア」のCSV戦略

企業イメージを「WEB社外報」で構築 成功事例5選

スマートフォンの普及も相まって、WEBサイトやSNSを利用して社外報(WEB社外報)を作り、ステークホルダーエンゲージメントを向上させる企業の取り組みが増加しています。 ここでは、WEB社外報としてオウンドメディアを構築し、運用している企業事例をご紹介します。

1.ヤンマー「Ymedia」

ヤンマーはブランドステートメント(ブランドの理念・使命)として“SUSTAINABLE FUTURE”を掲げています。ブランドステートメントWEBページではサスティナブル動画が掲載されています。この動画ではブランドステートメントをコンセプトにして、エンジン、農業、建設機械、マリン関連、熱・電気供給、これらの事業領域で最大の豊かさを最小の資源で実現することを表明しています。人がいつまでも豊かに暮らせること、自然がいつまでも豊かでありつづけること。そのどちらも考えなければ、未来とはいえない。次の100年のために。ヤンマーのサスティナビリティのコアを表現した動画になっています。

またブランドステートメントを軸にした「Ymedia」というWEBメディアを運用しています。コンテンツはWEBサイトTOPページに表示されており、その重要性がうかがえます。WEBサイトだけでは伝えきれないヤンマーの考え方、未来の見方、現在の活動をコンテンツにしてステークホルダーに配信しています。読者にはヤンマーの本気度が伝わる内容になっています。これぞ企業ブランディングといえる代表事例です。

2.クボタ「Kubota Press」

クボタはサスティナビリティページに加え、会社の将来性・活動をより分かりやすく伝えるために「Kubota Press」というWEBマガジンを運用しています。サスティナビリティページでは伝えきれないクボタの将来の目標、現状の取り組み、社会問題(食料不足、水不足、人手不足)の具体的な紹介など記事と取材を交えて配信。クボタの取り組みや考え方がより具体的にわかり、持続的成長に期待させられる内容です。このようにサスティナビリティコンテンツをステークホルダーに定期的にお届けすることで、コミュニケーションを絶やさず共通価値を築けます。クボタの先進的なアイデンティティを感じさせる企業ブランディングの成功例です。

3.ダイワハウス「SUSTAINABLE JOURNEY」

ダイワハウスはWEBマガジン「SUSTAINABLE JOURNEY」を運営しています。このマガジンのコンセプトは世界中のアイディア溢れるサスティナブルな取り組みを紹介し、次世代のライフスタイルを考えるメディアです。住宅企業としてのダイワハウスの意識の高さがうかがえます。テーマは「サスティナブル」とし、カテゴリを”人・街・暮らし”に設定します。急速に変化する世の中、私たちの生活も地球のサスティナビリティを考え変化させていかなければなりません。今後の生活をどのように変えていけばいいのか参考になる記事・取材記事が多く掲載されており、住宅企業として人々のライフスタイルにヒントをくれるメディアになっています。コンテンツに触れることで読者はダイワハウスのサスティナビリティを自然に体感できるCSRブランディングの成功事例です。

4.みずほ銀行「未来想像WEBマガジン」

みずほ銀行はWEBマガジン「未来想像WEBマガジン」を運用しています。コンセプトは“未来へのヒントが見つかるウェブメディア”。未来想像WEBマガジンは、これからの未来を前向きに生きていくために、未来を考え、未来を自分ごと化し、未来を想像するための世の中の変化を始め、ライフデザインやトレンドやお金など様々な情報を提供していく未来特化型のウェブメディアです。急速に変化する世の中、人生の送り方、ライフイベント、お金との向き合い方にも当然変化があります。生活者にこれからのライフスタイル情報を 配信し、みずほ銀行の信用と信頼を積み重ねるためのメディアになります。長期的な目線で考えられた企業ブランディングの好事例です。

5.オカムラ「ACORN」

オフィス環境事業を生業とするオカムラは「ACORN」というWEBメディアを運用しています。ブランドステートメントは「自然共生と生物多様性に向けたアクション」を「ACORN(エイコーン)」と名づけ、積極的に取り組んでいます。「ACORN」は英語でどんぐりを意味する言葉です。次の種をつなぐために、なくてはならない存在であるどんぐりを、オカムラの活動の象徴としました。私たちの暮らしや企業活動は、自然環境や多くの生物の営みの連鎖(=生物多様性)によって支えられています。持続可能な社会の実現をめざすオカムラは、これらの環境を守り育てることへの貢献を使命と考え、その活動をWEBメディアで発信しています。

ご紹介した5つの企業はみな、企業アイデンティティを伝えるためにWEBメディアを基幹とした企業ブランディングに注力しています。そこには自社ホームページのみでは伝えきれない企業の文化・キャラクター・考え方が色濃く反映され、サスティナビリティをさまざまな角度から表現しています。そして読者はステークホルダーになり、生活者、クライアント、投資家、従業員、関連企業の方々との共通認識を作っていくことができます。企業が新しいサービスや商品を生み出した際もアイデンティティをよく理解した読者は応援者となってくれることでしょう。

RHCがおすすめする企業ブランディング

企業ブランディングと聞くとTVCMや大規模キャンペーン、イベントなど敷居が高いイメージがありましたが、近年はインターネットやスマートフォン、SNSの普及によりWEBブランディングが非常にやりやすくなりました。
RHCがお勧めするブランディング手法はコンテンツマーケティングを使ったWEBブランディングです。 コンテンツマーケティングは自社メディアの企業のオウンドメディアを軸にしてSNSなどのコミュニケーションツールを使い、ブランド認知を高めていく手法です。 ターゲティングがしやすく、エンゲージメントを高めることもしやすいWEBブランディング手法となります。

▼詳しくは下記の無料Ebookをダウンロードしてください。

まとめ

企業ブランディング(コーポレートブランディング)とは「企業が理念を元にどういった目標を持って社会の役に立っていくのか」という意思表明です。 ジョン・ディアのように、自社の営利の前にどのようにして消費者(顧客)のお困りごとを解決し社会に貢献できるのかを考える。ステークホルダーとスクラムを組み一緒に課題を解決する姿勢こそが企業のブランドの認知・認識につながります。このような認知・認識は競合他社との差別化に大きく寄与するものとなります。これこそが「企業ブランディング」であると考えます。

関連記事:差別化戦略で独自性を磨こう、競合他社がいない世界へ

ライタープロフィール

神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長

創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。

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