サスティナビリティWEBページ構築前に知っておきたい5つのポイント
ブランディング
サスティナビリティWEBページを公開する企業が増えています。 昨今では企業ブランディングを構築する上で必須のWEBページとなっており、企業のアイデンティティを表すためには入念な企画が必要とされます。
1. なぜサスティナビリティWEBページを作るのか
サスティナビリティとは“持続可能性”を意味します。
環境・社会・経済の3つの観点から企業に持続可能性を指し示す言葉です。
現在、国連により提唱されたSDGsが世界的に注目されています。SDGsでは地球規模の持続可能性を考え17個の目標が設定されています。地球に与える影響は政府・企業・生活者全員の協力なくしては達成することはできません。影響力の大きい企業の対応を全世界の人々が注目しているのです。SDGsやESGが活況を帯びている今、企業のサスティナビリティを示すことは必須事項といえるでしょう。
2.CSRページとの違い
企業サイトではCSR(企業の社会的責任)ページが主流でした。CSRとサスティナビリティ(持続可能性)では文字通り全く意味が違います。
CSRページでは企業の倫理観から行う自主的な社会貢献活動が表現されていました。ISO(国際標準化機構)により定められ、これらを守ることで信頼を得ることができるという考え方です。
サスティナビリティページでは持続可能性を表現しなければなりません。企業の理念・ビジョン・ミッションに基づいて企業アイデンティティを構築し、今後の事業活動において持続的成長を示す必要があります。これを表現するためにSDGsがよく用いられます。自社の事業に合わせた番号を選択し、社会性と経済性の両立を表現します。またESGへの対応も必要になります。多くの企業はESG投資を意識して、外部からの評価ページにはCDP・TCFD・SBT・RE100・他など自社が参画する国際イニシアチブを掲載しています。
3.サスティナビリティページの構成
サスティナビリティページをどんな構成にすればよいのか企業ごとに見てみましょう。企業・業界ごとに文化が違うためテンプレートのようなものはありがませんが、参考にして頂ければと思います。
■株式会社クボタの事例
計11ページの構成になっています。サスティナビリティページトップにはブランドステートメントが記され事業領域の「食料・水・環境」で持続可能な社会の実現を目指すことを表明されています。 またサスティナビリティの特長として、「『事業そのものを通じたサスティナビリティ』と『事業の土台を担うサスティナビリティ』で、多角的な活動を推進」と、事業活動を通じて世界的な社会課題の解決を目指されています。 SDGsゴールを付記した食料・水・環境と事業領域ごとの取り組み説明ページもあり、世界的な食料不足、水不足、人手不足などの解決について事業を通じて対応されています。
方針・基本的な考え方
トップメッセージ
CSR経営の基本方針
環境経営の基本方針
事業を通じたサスティナビリティ
食料分野での取り組み
水環境分野での取り組み
環境分野での取り組み
事業の土台を担うサスティナビリティ
環境保全への取り組み
社会との関わり
従業員との関わり
ガバナンスへの取り組み
持続可能な開発目標(SDGs)
クボタのSDGsへの貢献
4. サスティナビリティ動画とは
サスティナビリティページに記されている内容を、ステークホルダー向けにわかりやすく作られた動画がサスティナビリティページ動画です。クボタではイラストを多用し、言いたいことが一目でわかるビジュアルの動画を掲載しています。 「未来を変えよう!」Change the Futureを動画コンセプトとして様々な社会問題の解決を目指すことが語られています。「すべての人に、食に不安のない明日を」「すべての人に、きれいな水を」「すべての人に、快適な生活環境を」動画のエンディングはロゴとタグラインで「For Earth, For Life」Kubota と締めくくられています。
動画はステークホルダーすべての人の心を打つような内容になっています。「自分たちは地球の未来のために働いている」と社員の仕事に対するプライドも士気も高まるでしょう。 またお客様である農家や関連企業の方々にも非常にわかりやすい形で会社の指針を伝えられます。
5. サスティナビリティコンテンツを使用したブランディングの重要性
クボタはサスティナビリティページに加え、会社の将来性・活動をより分かりやすく伝えるために「Kubota Press」というWEBマガジンを運用されています。サスティナビリティページでは伝えきれないクボタの将来の目標、現状の取り組み、社会問題の具体的な紹介など記事と取材を交えて配信されています。クボタの取り組みや考え方がより具体的にわかり持続的成長に期待させられる内容になっています。サスティンビリティコンテンツをステークホルダーに定期的にお届けすることで、コミュニケーションを絶やさず共通価値を築けます。クボタの先進的なアイデンティティを感じさせる企業ブランディングの成功例です。
ライタープロフィール
神澤 肇(カンザワ ハジメ)
リボンハーツクリエイティブ株式会社 代表取締役社長
創業40年以上の制作会社リボンハーツクリエイティブ(RHC)代表。
企業にコンテンツマーケティングを提供し始めて約15年。
数十社の大手企業オウンドメディアの企画・制作・運用を担当。
WEBを使用した企業ブランディングのプロフェッショナル。
映像業界出身で、WEB、紙媒体とクロスメディアでの施策を得意とする。
趣味はカメラとテニス、美術館巡り、JAZZ好き。